ゲーミングモニター『BenQ ZOWIE XL 2546K』レビュー

今回は、2020 年 10 月 9 日に発売された BenQ ZOWIE のゲーミングモニター『BenQ ZOWIE XL 2546K』 をレビューします。


一般的なゲーマーが購入するゲーミングデバイスの中で、単価が最も高くなるのはやはりモニターではないでしょうか。そのため、モニターは「絶対に外せない!」とお考えのゲーマーも多い事でしょう。20 年以上 PC ゲーマーとして生きてきた私は、CRT モニターも含めると数十のモニターを使用してきましたが、ゲーミングモニターを買うなら「BenQ ZOWIE の製品を買っておけば間違いない」と考えています。


なぜならば、BenQ ZOWIE はユーザーのニーズを非常に深いところで理解しているからです。特に対戦ゲームの領域においては他社の追随を許しません。


それもそのはず、ZOWIE は 2009 年にプロゲーマー向けの製品ブランドとして立ち上がり、esports 黎明期から競技シーンで活躍するゲーマーの本質的なニーズを追い求めてきました。2015 年には台湾を拠点とする大手電気製品メーカーである BenQ 社が ZOWIE を自社に迎え入れる事で資本力と技術力を得て、圧倒的にカスタマーファーストな製品を作り上げる事を実現しています。


そんな BenQ ZOWIE がゲーマー向けとして開発した XL2546K が、何故ゲーマーにとって決定版と言えるのかを以下で解説していきたいと思います!

『BenQ ZOWIE XL 2546K』の性能

① モニターサイズ:24.5 インチ

人間の視界全体に納めやすい 24.5 インチのモニターサイズを採用しています。24.5 インチを超えると画面が大きすぎて視野に収まらない範囲も出てきてしまう事を考慮すると、ゲーミングモニターとしては最適なサイズでしょう。


② 解像度:1920 x 1080 フルHD

4Kや、WQHD といった高解像度はあえて切り捨て、FPS や、MOBA のような競技性の高いゲーム向けに特化させています。


③ リフレッシュレート:240 Hz

リフレッシュレートとは、1秒間で画面を更新出来る数の事を指します。つまり、240 Hz であれば 240 回画面を更新して表示させているということになります。秒間 240 回 めくられるパラパラ漫画といえばイメージしやすいかもしれません。


リフレッシュレートは高ければ高いほど、モニター上で描画される物体の動きが滑らかに見えます。240 Hz はゲーミングモニターの中でも最高水準の数値です。稀に 60 Hz や 100 Hz との違いがわからないという方がいますが、個人の動体視力に左右される一面はあるでしょう。ただ、一般的には一旦 240 Hz に慣れるともう 100 Hz 以下には戻れないと言われています。私は普段 144 Hz のモニターを使っていた時期に、諸事情で 60 Hz の環境下で動きの激しい FPS を 4 時間ほどプレイしなければならくなった事がありましたが、結果的に体調を崩してしまいました。


④ 液晶パネル:TN パネル

応答速度において最も優位性の高い TN パネルを採用しています。ゲーミングに特化させる以上 TN パネル一択になるのではないかなと思います。VA パネルや、IPS パネルは、視野角の広さや色調の美しさにおいては優位性があるものの、応答速度の面では TN パネルに軍配が上がります。


⑤ 応答速度:0.5ms (GtoG)

AMA によって実現した圧倒的なスピードです。ひと昔前は 5ms でも早い方だったのに、まさか 1ms を切る日が来るとは思いませんでした。CRT 信者だったおじさん達にも思わずにっこりです。


⑥ 端子:Display Port 1.2 x 1、HDMI 2.0 x 3、S.Switch ジャック、ヘッドホンジャック

HDMI ポートが 3 つもあるのにびっくりしました。ただ、性能を最大限まで引き出すのであれば Display Port を使用したいところです。ありがたいことに Display Port は同梱されているので VGA が対応しているのであれば是非使用しましょう。


⑦ 寸法:57.1 x 20 x 52.1 cm

ベゼル(ディスプレイの枠の部分)が比較的厚い造りになっています。海外だと LAN 環境で自身のモニターを持ち運ぶ人もいらっしゃるので、多少の衝撃にも耐えられるようにしているのかと思います。


⑧ 重量:6.2 kg

スタンドと台座の作りがしっかりしているので若干重いです。軽すぎると不安定になるので、これぐらいが丁度良いと思います。


⑨ チルト機能:前 -5 度、後 23度

モニターの首を上下に角度調整出来る機能の事です。一般的に要求される水準は満たしているでしょう。これ以上傾けたい人は素直にモニターアームを使いましょう。


⑩ スイベル機能:左右どちらにも 45 度まで可能

台座を動かさなくて、左右に調整出来る機能のことを指します。「こんな回るモニターある?」ってぐらいグルグル回ってくれます。製品コストが上がる機能なので、採用していない製品も多い機能ですが、微調整にこだわる人がゲーマーには多いので助かりますね。


⑪ ピボット機能:上下どちらにも 180 度まで可能

台座を動かさずに、縦回転を行う機能のことを指します。普段はあんまり使わないと思いますが、パソコンで書籍を読む人には嬉しい機能です。また最近は、スマートフォンやタブレットに最適化されたウェブサイトが多いので、常時縦にして使用する人もいたりしますね。


⑫ リフト機能

モニターの高さを調整する機能の事を指します。高さ調整は、ゲームの最中の姿勢にまで影響を及ぼすので、絶対なくてはならない機能だと考えていますが、安価なモニターだとついていません。高さが足らなくて別売りのモニター台座なんかを買うハメになるならまだしも、高すぎる場合は調整のしようがないので詰みです。本製品のリフト機能は驚異の 15.5 cm で、充分すぎるほどの性能です。その上、モニタースタンドの支柱に高さが表記された目盛りがあるので、自分にとってベストな高さを記録する事が出来ます。便利すぎます。


パッケージ内容

・モニター本体

・スタンド

・台座

・S.Switch

・電源

・Display Port ケーブル(1.8m)

・シールド

・モニターケース

・説明書

形状・外観

組み立てにドライバーは不要、説明書に従ってパーツをはめ込んで、指でいくつかのネジを回せば完成します。3分もあれば出来る簡易的な仕組みになっています。


性能のところでも記載したように、ベゼルが厚く、通常のモニターと比較するとゴツいです。日本の環境だとあまりモニターを外に持ち出す事はないものの、引っ越しの際にはこの耐久性の高さで故障はしづらくなると思います。


シールド(ウィング)は簡単に脱着可能で、自身の部屋の環境や好みに応じて、装着すると良いでしょう。シールドは没入感を高める効果を見込まれており、モニターの回りがゴチャゴチャしていたり、窓からの採光が煩わしい時にも使えます。ゲーム時に部屋を真っ暗にしているので私のようなゲーマーには不要かもしれません。


チルト、スイベル、ピボットの 3 機能はいずれも高水準な性能で搭載されており、モニターの微調整が効きやすいです。特に競技性の高いゲームにおいては、自身がプレイしやすい環境を作る上で、モニターとプレイヤーの位置関係を調整する事が多く、細かいところで最適化をはかれるのは好印象です。


『BenQ ZOWIE XL 2546K』の特徴

① DyAc+

液晶ディスプレイは物体が動く描画を行うとモーションブラーが発生し、残像が残ってしまいます。この現象は LCD の現像原理の制限上、どれだけ低遅延のパネルを使っても、高いリフレッシュレートを実現したとしても必ず発生してしまいます。


DyAc+ は、映像が切り替わる数フレームに 1 回、真っ黒なフレームを間に挟む事で、目に残った映像をリセットして残像感を軽減するという技術です。発想が凄いですね、天才的。


モニター内蔵機能の設定上で、オフ・高・プレミアムの 3 段階設定が可能です。VALORANTや、APEX LEGEND 等の動きが激しいゲームには必要不可欠な機能です。キャラクターや視界が素早く切り替わる FPS のようなゲームであれば プレミアム一択だと感じました。


② AMA ( Advanced Motion Accelerator )

液晶パネルの応答性の向上並びに残像軽減機能として採用されている技術です。0.5 ms という驚異的な数値を実現できるのも、この AMA のおかげなんですねぇ。


応答速度における遅延は、残像感を生み出して、キャラクターの動きがブレて見えるような現象を引き起こしてしまいます。その結果、コンマ何ミリの世界で緻密な AIM や、キャラクターコントロールを求められる世界において、致命的な悪影響をプレイヤーに与えてしまいます。


本機能は、オフ・オン・プレミアムの 3 つが用意されています。初期設定はオンです。オフにすると流石の本製品でも遅延が発生してしまうので、基本オンかプレミアムにします。AMA のような機能の事をオーバードライブと呼びますが、オーバードライブを過度に高めるとオーバーシュートという、映像が滲んだりする現象が起きるといわれています。このオーバーシュートは引き起こされても人間にはほとんど知覚出来ないといわれており、私も長時間 AMA プレミアム設定で VALORANT をプレイしましたが、違和感を覚えることはありませんでした。また、この AMA を先述した DyAc+ と組み合わせる事で、残像感や違和感が一切ない最高の環境下でのプレイを楽しむことが出来ました。


③ Black eQualizer

ゲーム内の暗所を見えやすく明瞭に映し出してくれる BenQ ZOWIE の独自技術です。リアルなゲームほど暗いところって見えにくいじゃないですか。ホラーゲームであればそれでも良いですが、競技性の高いゲームにおいて、暗いところが見えづらいと敵の視認が遅れて、結果的に負けてしまいます。対策としてガンマ値を上げるという方法もありますが、今度は逆に明るいところで画面がボヤけてしまいます。このジレンマを解決してくれる凄い機能がこの Black eQualizer です。




④ S.Switch

このS.Switch は神過ぎるオプションです。真ん中にある赤いホイールを使ってモニターの内蔵機能の設定を呼び出して選択する事ができる上に、1 ~ 3 のボタンに好みの設定を保存しちゃえます。この機能、本当に神で、私は1番に FPS 用の設定、2 番に動画用の設定、3 番に就寝前の設定を入れてます。



FPS と 動画だと求められる色調が全然違うので、あえて分けているんですが、このボタンを押すだけで瞬時に切り替えてくれます。特に気に入っているのが、3 番の就寝前の設定で、極限までブルーライトを切った状態になって、とても目に優しい色合いになります。


また、コントローラーを使わなくても、背面ボタンを使えばモニター内蔵機能が設定可能なのですが、この背面ボタンがスティック型になっていて、直感的な操作を実現していて本当に良いです。こういうユーザー目線でのメーカーからの配慮的なのって地味に嬉しいですよね。最近はモニター本体に内蔵された機能も多く、操作することが増えたものの、スティック型じゃないと誤操作が多発してストレスがたまります。


⑤ XL Setting to Share

モニター内設定を人と共有する事が出来るアプリです。競技性の高いゲーム、特に FPS のよう競技性の高いゲームは、活躍しているプロゲーマーの設定を何から何まで真似したくなるのが常だと思います。それを超簡易的に実現してくれる夢のようなアプリです。


ただ、非常に残念な事に、このアプリそのものの認知が広まっていないから設定ファイルが全然ウェブ上に落ちていません。プロゲーマーの設定などを共有してくれるウェブサイトなどがあればもの凄い嬉しいんですが....。本アプリのアイディア自体はゲーマーのニーズをしっかり掴んでいるので、是非認知を広げて欲しいと思います。


せっかくなので私の設定についても言及したいと思います。

私はおじさんな上にデスクワークが常なので、『眼が疲れている時用』と『眼は疲れているが、本気出す用』の 2 パターンで作成しています。主に VALORANT 上で使用しています。


◆眼が疲れている時用

色温度を薄青にし、明るさを抑えた優しい色合いでありながらも、ターゲットを確認しやすいのでお勧めです。普段使用でもこの設定なら眼が疲れにくいです。ブルーライト軽減機能の数値を高めれば、更に目に優しくなりますが、ゲーム中は推奨できません。


コントラスト:70

Black eQualizer:20

シャープネス:8

ガンマ:2

色温度:標準

DyAc:プレミアム

AMA:プレミアム

輝度:70


◆眼は疲れているが、本気出す用

輝度とコントラストを高めているので、上記設定以上に敵がはっきり見えますが、明るいので疲れている眼にはちょっとキます。


コントラスト:50

Black eQualizer:12

シャープネス:7

ガンマ:3

色温度:薄青

DyAc:プレミアム

AMA:高

輝度:70


以下に上記設定が保存されている XL Setting to Share のファイルをアップロードしておきましたので、是非使ってみてください。


⑥ その他オプション

地味に嬉しいのがモニター本体の背面にヘッドセットをかけるヘッドホンフックが収納されている事ですね。ヘッドセットってゲーマーのマストアイテムではあるものの、装着していない時はどこかにかけないと邪魔だけど、設置に適した場所がない!って人が多いと思います。ディスプレイの裏であれば視覚的にも物理的にも邪魔にもなりません。


これだけ高性能のモニターであれば、もはや言及する必要もないかもしれませんが、100mm の VESA 規格対応なので、一般的なモニターアームであれば問題なく取付可能です。スタンドと台座の性能が素晴らしいので、モニターアーム無しでも充分ですが。


いかがだったでしょうか?


ゲーマー向けのモニターとして決定版と言ってよい最高水準のゲーミングモニターといえるでしょう。唯一の難点は値段でしょう。これだけの性能を搭載しているだけあって市場想定価格は 58,000 円と、決してお安くはありません。


ただ、このモニターは今後競技性の高いゲームを継続してプレイするユーザーにとって、少なく見積もっても 5 年は買い替える必要がなくなるほどの機能を有していると言えます。というのも、このモニターの性能を大幅に上回って、ユーザーが買い替え必須になるレベルの製品を産み出すには『革新的な発明』が必要になります。それほどまでに本製品はゲーミングモニターとしての極みに到達していると言って良いでしょう。


ゲーマー向けとして全く隙がない本製品は、現時点でゲーミングモニターの購入を検討しているなら「買い確」です。少なくとも候補の一つとして必ず入れておく事をお勧めします。



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